15歳 日本の子どもは世界トップレベル

何とも誇らしい結果が出ました😊

世界各国の15歳の子どもの学力を測る国際学力調査の結果がまとまり、日本は課題とされていた「読解力」が大幅に改善し、すべての分野で平均得点や順位が上昇して世界トップレベルとなりました

でも…いまいちピンとこないことはないですか?

この記事では先日発表があったPISA(ピザ)の最新結果について簡単に書いています。

子どもと関わる方はちょっと気になる世界基準で見た日本の子どものレベル。
学校や教育について考えるきっかけになればと思います。

目次

1.PISA最新結果
2.PISAとは?
 2‐1:「PISA」とはいったい何なのでしょうか。
 2‐2:PISA調査内容
 2‐3:PISAの問題ってどんなの?
3.PISAこれまでの流れ
4.まとめ

 

1.PISA最新結果

2023年12 月5日に、2022年に行われた最新のPISA調査の結果が世界同時に公表されました。

この発表で3分野の世界での順位が示されています。

2018(前回の結果):第7回2022(今回発表された結果):第8回
読解力15位3位 ⤴
数学的リテラシー(応用力)6位5位 ⤴
科学的リテラシー5位2位 ⤴

2018:参加国・地域(79カ国)
2022:参加国・地域(81カ国)※前回3分野で1位だった中国4都市・省(北京、上海、江蘇、浙江)はコロナの影響で不参加

日本の平均点は、読解力516点(前回比+12点)、数学536点(同+9点)、科学547点(同+18点)でいずれも上昇。

maru

日本がV字回復したと言われる結果です。

▼全参加国・地域(81カ国・地域)における比較▼

数学的リテラシー読解力科学的リテラシー
1シンガポールシンガポールシンガポール
2マカオアイルランド日本
3台湾日本マカオ
4香港韓国台湾
5日本台湾韓国
6韓国エストニアエストニア
7エストニアマカオ香港
8スイスカナダカナダ
9カナダアメリカフィンランド
10オランダニュージーランドオーストラリア

2.PISAとは?

2-1.「PISA」とはいったい何なのでしょうか?

Programme for International Student Assessmentの略称
※日本語正式名称はOECD生徒の学習到達度調査

PISA


国際機関であるOECD(経済協力開発機構)が行う世界的な学力調査のこと。

・2000年から3年ごとに行われ、2022年に行われた最新の調査は8回目。
※2021年はコロナで延期になったため2022年に実施・次回は2025年の予定

・日本は初回から毎回参加。

・参加国は回を重ねるごとに増え、2022年は81カ国。

・調査の目的は、義務教育を終える15歳までに学んだ知識や技能を実生活でどの程度活用できるかを測ること。
国別に比較することで、各国が自分の国の強みや弱みを知りよりよい教育をつくっていくため。

・実際に日本の教育カリキュラムの基準となる学習指導要領などにPISAの結果から得られた 知見が反映されている。

2-2.PISA調査方法

・PISAは問題に対して答えを求めるテスト形式の調査と、アンケート形式で質問に答える質問紙調査の2つから成り立っています。

・2015年から紙とペンを使う方式から、コンピュータ上で出題と回答を行う「CBT」というやり方に変更しになっています。
・さらに2018年調査の読解リテラシー、および今回の数学的リテラシーのテストでは、受検者の解答結果に応じて出題内容を変える「多段階適応型テスト(MSAT)」の手法を導入。
→これにより測定結果の精度がアップしました。

・日本では高校1年生が調査対象。
※全国からランダムに選ばれた学校の生徒約6,000人が受検する標本調査。

・所要時間は合計4時間弱。
※調査の目的が国単位での教育の質改善なので、個人の結果が単独で扱われることはありません。

2-3.PISAの問題ってどんなの?

調べてみると2022年の問題はありませんでしたが、2018年の問題はありました。
以下抜粋です。

それ以前の問題も公開されています。
興味がある方はぜひ見てみてください。

maru

それにしても問題が長い…。

・質問紙調査は、勉強に関する意識や態度、家庭や学校での学習環境などに関するアンケートになります。

3.PISAこれまでの流れ

・PISAショック

2回目のPISAの結果が2004年に発表されたときは、読解力が8位から14位に、数学的リテラシーが1位から6位に下がり、「PISAショック」と呼ばれました。

これをうけて文部科学省は2007年、全国学力調査を43年ぶりに復活しました。

PISAの結果を受けて、「脱ゆとり教育」のスローガンの下で教育改革が行われました。

maru

PISAの影響って大きいです。

全国学力調査

・中学3年生・小学6年生対象
・児童生徒個人を評価するためのテストではなく、義務教育に関する現状の把握・改善のための調査
・毎年4月ごろ実施 
・国語・算数(数学)※理科・英語は3年に1回
・悉皆調査

maru

悉皆調査(しっかいちょうさ)とは、全員対象の調査という意味です。

・「知識」に 関する問題(A問題)と「活用」に関する問題(B問題)に分かれています。

・問題は公開されています。

・全国及び都道府県別の 結果は国立教育政策研究所で公表されています。
 ※市町村ごと・学校ごとの結果公表については、自治体によって対応が異なっています。

小学校で勤めていたときは…

全国学力調査に向けて対策授業を行ったりもしました。
新学期が始まってすぐあるので、小学5年生の最後あたりから算数の授業の中で過去問をかなり解かせていました。

B問題は応用になるので通常の学校のテストより難しいです。

PISAショック再び

2018年のPISA調査で数学的リテラシー6位、科学的リテラシー5位という好順位を維持。
一方で読解力が前回の8位から今回15位に下落したことを受け、こうした言葉が言われたようです。

しかし一方で、PISAの調査結果は不完全であり、それを盲信することの危険性を指摘する声もでています。
標準化するによって教育の多様性を失う可能生を指摘する声が上がるなどPISAが抱える問題もあるようです。

maru

順位だけでなくもっと結果を分析し、参考にすべきという考えです。

それは今回の結果に関しても言えるかもしれません。

4.まとめ

『世界各国の15歳の子どもの学力を測る国際学力調査の結果がまとまり、日本は課題とされていた「読解力」が大幅に改善し、すべての分野で平均得点や順位が上昇して世界トップレベルとなりました』

そんな報道を知り、同世代の子どもを持つ親としてちょっと誇らしい気持ちになりました。


しかしいろいろ調べてみるとPISAの調査に関しては課題も多くあるようです。

そして、この結果が今の日本の教育の方向性を全肯定するようなものではなく、あくまでも一つの指標に過ぎないという気もしました。

今回のPISA結果で3分野とも断トツで1位だったシンガポールの教育はちょっと興味あります。

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