ブレイキン基礎知識 パリオリンピック ダンス初心者の方向け
オリンピックの話題が徐々に増えてきました。
2024年7月26日(金)~8月11日(日)パリでオリンピックが開催されます。
この記事では、今大会から新種目となったブレイキンの競技内容と注目選手(シゲキックス)について書いています。
この記事でダンス全く初心者の方もブレイキンの競技を見るのが楽しみになるかもしれません。
パリ五輪新種目ブレイキンとはどんな競技?
ブレイキンはダンススポーツの一種です。
一般的にはブレイクダンスで知られています。
1970年代アメリカニューヨークのサウスブロンクス地区発祥のストリートダンスです。
豆知識
Bボーイ・Bガール:ブレイキンを踊る男女を性別で表現
ブレイカー:性別を問わずにブレイキンを踊る人を表現
ブレイキンの表現の場といえば、ダンスバトルです。
バトルイベントとして開催されており、音楽を流すDJや進行役のMC、審査員がいます。
ダンサーはフロアの左右に分かれてチーム対戦します。
暗黙のルールとしてそれぞれのチームが交互に躍る、相手にふれてはいけないというものがあります。
ダンスバトルのルール
1対1の対決
DJが即興でかける音楽で踊ること
即興でかける音楽ということは、どんな曲がかかるかダンサーはその場で知ることになるんですね。
ダンサーはダンス音楽に対する幅広い知識とアドリブ力など経験値も必要になります。
これは他のオリンピック競技にはない難しい面といえそうです。
また、DJの選曲は結果に大きな影響を及ぼすほど重大な役割を持つといえます。
DJの実力も試されそう…。
ダンスの勝敗を決める審査員は複数人となります。
1人の審査員の基準だけで評価されると不平等になり、結果が偏ってしまうためです。
オリンピックの審査基準ではありませんが、日本ダンススポーツ連盟がブレイキンの採点基準を決めたものがありオリンピックもこれに近い審査基準になるとみられています。
表1:評価基準(PCS : Program Component Score)
評価基準(PCS)の採点Scale(0.25刻み) 1点=非常に不十分 〜 10点=傑出 にて評価。
評価基準(PCS) | 評価項目 | 採点 |
---|---|---|
①Technique/Body(技術) | Difficulties(難しさ/難易度))Variation(バリエーション)Body control(ボディコントロール)Cleanliness/Smooth(クリーンさ/スムーズさ) | 4.00~40.00 |
②Personality/Originality(表現) | Flavor (雰囲気の独自性)Originality(独創性)Transition(トランジション)Detail(ディテール) | 4.00~40.00 |
③ Total balance(総合性) | Constitution(構成)Execution(完成度)Musicality(音楽性)Performance/Battle(パフォーマンス/バトル) | 4.00~40.00 |
表2:一般加減点項目の評価
加点 | 加点基準 | 内容 |
---|---|---|
+1.00 | Surprise (サプライズ) | その曲と空間において、意表をつくような特に効果的な表現技があった場合に加点する。Constitution(構成/完成度)のPCS項目とともに高く評価しても良い。Constitution(構成/完成度)に限らず、常識を超えるスピード、回転量、高難度、大きな効果を生む組み合わせ(トランジション)などで加点される。 |
+3.00 | ||
+7.00 | ||
+10.00 |
減点 | 減点基準 | 内容 |
---|---|---|
-1.00 | Repeat (リピート) | 自分の特徴的な「技」を、その対戦中に繰り返して使うこと。 |
-3.00 | ||
-5.00 | ||
-1.00 | Bite (真似をする) | 広く受け入れられている技や動き、仕草以外で、他のダンサー特有の技、動きの真似をその まま行った場合に減点とする。 |
-3.00 | ||
-5.00 | ||
-1.00 | Crush (クラッシュ) | 崩れた、バランスを失った、滑ったなど観客から見てわかる悪影響の程度で判定される。 |
-3.00 | ||
-5.00 | ||
-1.00 | Misbehavior (ミスビヘイビヤー) | 全体的な動きとは別に、スポーツマンシップに反する不適切な表現があった場合。 例:相手を手で押す・手のジェスチャー及び言葉で罵倒するなど。 |
-3.00 | ||
-5.00 | ||
Loss | Lost (ロスト) | 相手に暴力を振るう、公序良俗に反するジェスチャーなどして、スポーツとして認められない行為があった場合や、怪我などにより演技続行不可能と判断された場合は、Lostとなり全てのPCSの点、加減点をゼロにしてその対戦は終了となる。 |
曲にあっていて独創性があり、場の雰囲気に合ってるようなダンス
難易度の高い技を繰り返し披露しても勝てないような感じなんですね。
ダンスバトルって奥が深いです。
ブレイキン オリンピック出場の注目選手
国内外のブレイキン大会で数多くの優勝経験を持つBボーイのShigekixさん。
Shigekixさん
本名:半井 重幸
生年月日:2002年3月11日
年齢:21歳※記事を書いた時です。
先日行われた日米対抗戦「ブレイキン ワールドマッチ」(マリンメッセ福岡)においても優勝しています。
パリ五輪でも金メダル候補の一人として期待される選手です。
ダンス初心者にはありがちな偏見、ダンス=悪い若者(すみません…私だけかもしれません)というイメージを払しょくするような、さわやかでとっても好青年な印象の方です。
特に今年1月に公開されているインタビュー記事を読むと、凄く好感が持てます。
読んでいただくと、ダンスにかける熱い思いとすごく真面目な気持ちに心が打たれます。
気になる方はぜひ読んでいただくと見る目が変わるかもしれません。
まとめ
オリンピックの面白いことのひとつにこれまで全く近くになかったスポーツにふれられるということがあります。
知らなかった競技やルールを知ることで、興味や関心を持つことができます。
またその競技にかける思いや経緯、選手の人柄を知ることで、応援にさらに熱が入ります。
今回新種目になったブレイキンはまさにそんな種目の1つ。
これまでダンスとは無縁の人生を歩んできた私にとって、とても興味深い競技です。
ひたむきにがんばる姿は見ていてとても気持ちがよく、パワーをもらえます。
今年の夏のパリオリンピックが今から本当に楽しみです。
▼夏休みの前に春休み、おすすめ記事です。
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